〜はじめに〜
この病気の症状は非常に多岐にわたって、思いもかけない症状が強迫の症状だったりする場合
があります。 まして強迫スペクトラムといわれる捉え方をするとさらに複雑な症状が絡み合って、
その診断はまさに誤診の宝庫です。
DR.笠のHP 「精神科セカンドオピニオン」 より
ところが今の精神科医がそれらについてわかっているかというと強迫といえば典型的な症状、
つまり鍵を確認するとか、手を何度も洗うとかといったものにばかりに眼が行っていてそれ以外
の強迫からくる症状をなかなか正しく把握できず、「統合失調症」「鬱病」との区分が付かず、
それが誤診につながり、誤った処方を続けた結果さらに病状を悪化させていくというケースが
多いのが現状です。
そこで今現実に強迫の診断を受けて治療に当たっている皆さんがこれまで強迫の症状として
どんな症状を経験されたか又、今も尚どんな症状と闘っていらっしゃるのか「生」の、そして
より「具体的」な症例を投稿いただき、集めたものがこのページです。
場合によっては「強迫」そのものから来る病状ではないものも含まれるかもしれませんがそれも
あくまでも現実の病状ということで、もし多少の枠からのはみ出しがあった場合もその旨ご了解
頂きますようお願い致します。 この症例集が現状の確認、今後の見通し、それと同時に診断を
出来かねている多くの医師のための大いなる参考資料になれば幸いです。
尚、この診断にいたるまで誤診があった場合その� �記載してあります。
※診断や治療薬などについては文末のサイトを参照して下さい。
<症例1>(男性・強迫神経症 完全癖、整理整頓癖、雑念強迫、収集癖、依存症)
●先のことを心配しておびえる・・・フラレたらどうしよう 車をぶつけたらどうしよう
●醜形恐怖・・・禿になったらどうしよう 鏡を何度も見て不安がる
(本当は別に禿げてもいない)
●食事が怖い・・・食べきれなかったらどうしよう 手順を間違えたらどうしよう
手巻き寿司がこわい(うまく巻けるか不安)
●手首がこわい・・・血管を見るとおびえる
●臭覚過敏・・・ちょっとした臭いや家族の体臭にも過敏になって不快を訴える。
●聴覚過敏・・・音に過敏になってつい聞き耳を立ててイラつく。
●CDが売り切れないか心配でもれなく予約しないと気がすまない
●番組予約を忘れないか心配で何度も確認。
●ファンの球団の成績が心配でたまらない(毎日何度も何度も仏壇におまいりする)
●仕事が出来なくなった、関連の本がこわくてすべて押し入れに隠す
●大事なCDが1箇所に収納できず何箇所にも分かれているのが悲しい。強い執着。CD依存
●早く聴かないと次々に新曲CDの発売が迫ってくる。
(朝から夜中まで10時間以上50人ぐらいのアーティスト分をかかえて毎日必死でこなす)
●ファンのグッズをありとあらゆるものを集めないと落ち着かない。
●オークション依存 落札商品の宅配便やゆうパックが連日次々届く。
●決めた手順どおりに運ばないとトタンに不安定になる
●ホームに立つと飛び込みたくなる
●街でビルの屋上をみつめている
●仕事の〆切におびえて逆に何も手に付かない状態になる
●左右のバランスが崩れるのは耐えられない。マッサージは左足から。
●ひとつのことにこだわると他に眼がいかない
(朝から晩までプロ野球のこと又は音楽のことしか考えられなかった)
●携帯電話に強く依存してトイレや風呂にも持ち込む。
(病前はいつもほうりっぱなしでむしろ邪魔がっていた)
●足の置き場がない(寝るとき足に意識が行って足だけ浮いた感じで落ち着かない)
●発病後慢性的な肩痛。ただしどこが痛いのかも解らない。(それまで肩痛を知らなかった)
●衝動制御不能・・・思うようにならないとイライラを抑えられずに暴言を吐いたり乱暴な行動をする
落ち着くと反省するがそのときは抑えられない。
●幻覚、幻聴、妄想一切なし
※誤診→主治医が代わるごとに うつ病→統合失調症→統合失調症 との診断。
これらの症状を訴え続けても抗精神剤の投与が続き、「強迫ではない」とはっきり否定された。
<症例2>(女性・強迫スペクトラム 自己視線恐怖症を含む社会不安障害)
●家事をするのに手順が狂うとイライラする
●お気に入りの雑誌が多く読みきれないにもかかわらず、発売日が近づくとソワソワし購入
してしまう
●一日の流れの作業で、端折るのが苦手
●使命感が強く、自分がやらなくてもいいものまで着手してしまう。
●こだわりがつよく、その日で印象の強い事柄に会うと一日中頭から抜けられない。
●過去の記憶がかなり細かく残りやすい。
●自分を押し殺して周りに合わせる性格なので、集団行動が苦手だ。
●独語が多い
●一日に何回も鏡を見る。