皮膚病(皮膚の病気)5 稲葉クリニック 杉並区皮膚科
東京都杉並区阿佐ヶ谷の形成外科・皮膚科専門医
稲葉クリニックのトップページへ
稲葉クリニックのご案内へ
皮膚病(皮膚の病気) 目次 へ戻る
皮膚病の症状(写真画像) 原因と治療・注意点などにつきまして簡単にまとめてあります。
■さまざまな皮膚病
冬季
●乾燥性湿疹
●熱傷(第3度) (電気ストーブによる深部熱傷)
●大理石様皮膚(ひだこ) (「こたつ」による血行障害)
夏季
●日焼け
●日焼けによる色素沈着
そのほか
●接触皮膚炎 (かぶれ) (痒みのある小水疱と紅斑)
赤ちゃんの「おむつかぶれ」とは?
●熱傷(第2度) (お湯による熱傷)
●膿疱性ざ瘡 (ニキビ)
●ナイロンタオル皮膚炎 (皮膚の色素沈着)
●アトピー性皮膚炎 (幼小児期から繰り返す難治性皮膚炎)
●尋常性乾癬(かんせん) (繰り返す難治性の皮疹)
●単純性粃糠疹(ひこうしん) (いわゆる「はたけ」)
●蕁麻疹(じんましん) (繰り返すこともある)
●鶏眼 (うおのめ) (歩くときに痛いしこりが足にできます)
●口囲皮膚炎 (ステロイド剤の副作用による皮膚の病気)
●線状苔癬
●男性型脱毛症 (男性ホルモン作用により頭頂部と生え際の頭髪が薄くなります)
●ピアスによる耳朶の裂傷
ピアスの注意について
●腋臭症(わきが)・腋窩多汗症 (ワキガ治療の詳細解説ページへ)
■さまざまな皮膚の病気
<冬季>
●乾燥性湿疹
皮膚の細胞は乾燥に弱いため、皮膚の表面には皮脂が薄く拡がっていて皮膚表面の角質層を保護しています。しかし、冬季は皮膚が乾燥しやすくなるため痒み(かゆみ)が出てきて皮膚表面が粉をふいたような状態になります。
治療: 乾燥予防のための保湿剤や痒み(かゆみ)を抑えるためのステロイド剤などを塗布します。また痒み(かゆみ)が強い場合には抗アレルギー剤などを内服します。中途半端な治療は症状を悪化させます。
<普段の生活で大切なこと>
皮膚の乾燥を防ぐために入浴時に石鹸で洗い過ぎない。特にナイロンタオルはいけません。また長湯をしますと皮膚のバリアーが弱まりますので短めに。保湿剤の入浴剤もよろしいでしょう。
ザラザラした生地の衣類は直接皮膚に触れないようにする。きつく締め付ける衣類はなるべく着ない(靴下・下着など)
外用剤は皮膚の水分量が多い入浴直後(10分以内)に使用する。
●熱傷(第3度) 電気ストーブによる深部熱傷
痛み/抽出/知恵の歯
電気ストーブの前で数時間寝てしまい受傷した。水疱はつぶれたがあまり痛みは強くない。
治療: 最初は軟膏治療などによって化膿させないようにして様子を診ますが、非常に深い熱傷なので治るまでは2ヶ月以上かかります。場合によっては外科的な治療(植皮手術など)が必要となることもあります。
ストーブやアンカでの火傷が多いですから冬季には注意してください。 アンカを布団に入れたまま寝てしまうことで起こりますので、寝る際にはアンカを布団から出すようにしましょう。
<参考>
低温熱傷は45度程度であっても数時間で起こってしまうものです。 ローストビーフが芯まで焼けているのと同じように、皮膚の深いところまでじっくり焼けているわけです。 一方お湯などによる高温熱傷は一見ひ どく見えますが組織の障害は浅く留まっていますから2〜3週間で治ります。
●大理石様皮膚(ひだこ)「こたつ」による血行障害
環状の紅斑や色素沈着が特徴的。
原因は電気ストーブ・あんか・こたつなどで、下腿部に繰り返し熱(赤外線)が当たることによって起こる血行障害。
温めないことが最も大切です。
<夏季>
●日焼け
最近は有害な紫外線(特にUVB)が多くなっているといわれています。普段日光に当たっていない人が急に海や山で直射日光を浴びることで熱傷(ヤケド)の状態になります。 重症になりますと、脱水症状(高熱や震え)となりますので、要注意です。
長時間日光に当たる場合には必ず日焼け止め(Sun Screen)を使用するようにしましょう。 日焼け止めの商品には作用の強さを示すSPFやPAが書いてありますので、なるべく強めの商品をご使用ください。 日焼け止め(Sun Screen)で接触皮膚炎(かぶれ)を起こすこともありますので、赤み・痒み(かゆみ)がある場合には使用を中止してください。 日焼け止めには紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類がありますが、どちらかと言えば紫外線吸収剤の方がかぶれやすいようです。
治療: 熱傷と同じ治療です。 炎症を抑える軟膏や飲み薬を使用しますが、治った後で色素沈着(シミなど)が残ることがあります。
●日焼けによる色素沈着
(海で強い日焼けをした数年後に茶色のシミが多発してきた)
治療: QスィッチルビーレーザーやCO2レーザーでメラニン色素を焼き除去します。
皮膚の病気と治療について-目次へ戻る
東京都杉並区阿佐谷南3-31-13 稲葉クリニック(皮膚科・形成外科)
<その他の皮膚の病気>
●接触皮膚炎 (かぶれ)
(ワキガで制汗剤を繰り返し使用し、痒みのある小水疱と紅斑ができた)
(日焼け止めを塗った部分にできた紅斑)
外部から皮膚に付着するものにより起こる皮膚の炎症で、痒み(かゆみ)・紅斑・水疱・丘疹などが出てきます。
化粧品・制汗剤・日焼け止めなどさまざまな物が原因となります。
女性の場合で繰り返す顔の痒み(かゆみ)・赤みは化粧品カブレが非常に多いです。
治療:ステロイド剤などを短期間使用しますが、原因となる物質を皮膚に付着させないことが最も大切です。
両方の脇の下の下の痛み
<参考> 「おむつかぶれ」について
乳児のオムツの部分に赤みのあるただれや丘疹ができることがあります。 お母さんは「おむつかぶれだから病院に行って軟膏の治療をしてもらおう」と考えます。 しかし、おむつかぶれというのは意外と少ないものなのです。 もちろんオムツをきつく巻いていると太ももの付け根に赤みが出てくることがあり確かにおむつかぶれでしょう。 しかしほとんどの赤ちゃんの場合には、肛門・股から拡がって行く赤みで赤い丘疹が出てきます。 実はまめにオムツを交換しないために起こる「うんちかぶれ」や「おしっこかぶれ」なのです。 「おむつかぶれ」は繰り返しオムツを交換することで防ぐことができるわけです。 股が湿った状態でいるとカンジダというカビがついて赤くなる場� �もあります。
●熱傷(第2度) (お湯による熱傷)
熱湯をかけてしまった「やけど」。 大きな水疱と周囲の発赤・疼痛。 軟膏治療で約2週間で治ります。
自己治療で悪くなることが多いですから、熱傷の際には水道水で20分程度冷やしてから病院で治療を受けるのがよいでしょう。
水疱になっている部分の皮膚を剥いて細菌感染起こすと傷が残りやすいです。
<参考>
熱傷が完治した後は多少の赤みや色素沈着が起こることが多いです。もちろん放置しておいても色は薄くなっていきますが、紫外線に当たりますと色素沈着が濃くなる場合もあり Sun Screen などで紫外線から守ることも大切です。 また起こってしまった色素沈着を薄くするためにはレーザー治療などよりもハイドロキノン軟膏などでやんわりとメラニン色素を薄くさせたほうが良い場合が多いです。
●膿疱性ざ瘡 (ニキビ)
皮膚の毛穴の出口が皮脂・汚れ・化粧品などが詰まり、毛包に皮脂がたまった状態。いわゆる「白にきび」と呼ばれる小さな盛り上がりができる。その状態が長く続くと毛包内にニキビ菌が繁殖し赤み・痛み・盛り上がりなどの症状が起こってくる。その状態が「赤にきび」と呼ばれる。さらにひどくなると大きく腫れ上がり中央に膿がたまり黄色になってくる。
治療は、痛み・膿がたまっている状態では抗生剤の内服や外用が必要となる。白にきびには毛穴が詰まりにくくするための薬を使う。しかし、最も大切なことは洗顔をしっかり行い、化粧品など毛穴を塞ぐようなものをニキビのあるところに使わないことです。
ニキビの治療は、第一がスキンケア、第二が体調の管理、第三に治療薬の使用です。治療だけでよく なっても繰り返し出ることが多いです。また膿がたまった状態で爪で潰すとくぼんだ傷跡が残るので触らないことも大切です。
<参考>
一般的に石鹸の中に入っている脂肪酸はにきび菌の栄養源となる可能性があります。ニキビ予防にはにきび菌の栄養源となりづらい脂肪酸で作られた石鹸で洗うのがよいでしょう。また皮脂が多く角栓が毛穴に溜まりやすい場合にはピーリング剤の入った石鹸での洗顔がよいかとおもいます。
●ナイロンタオル皮膚炎 (皮膚の色素沈着)
ナイロンタオルなど繊維の硬いもので強く擦ることで起こる色素沈着です。 下に骨があるようなところに起こりやすいです。 擦らなければ徐々に色調は薄くなってきます。
ビリルビン安全な24黄疸新生児
●アトピー性皮膚炎 (幼小児期から繰り返す難治性皮膚炎)
アトピー性皮膚炎はかゆみの強い皮膚炎が繰り返し出るもので、年単位の長い周期で軽快増悪を繰り返すこともあり難治性です。
以前はアレルギーによるものと考えられてきましたが、喘息を伴う症例は別として実際にアレルギーで起こる症例は意外と少ないようです。 最近では皮膚のバリア機能(自分を守る力)が弱い体質と考えられています。 そのような体質をアトピー体質とも呼びます。
治療は、外用剤と内服が基本となります。 もちろん食事アレルギーなど検査をして明らかにアレルギーがある場合には食事制限などすることもありますが、検査無しに食事がすべての原因と考えるのも問題です。
アトピー性皮膚炎の治療には何といってもスキンケアが大切で、皮膚のバリア機能を弱めないような生活指導のうえ、抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤:いわゆるかゆみ止め)の内服とステロイド剤・免疫抑制剤・保湿剤・保護剤などの外用剤を症状にあわせ組み合わせます。 夏に使用して具合が良かった外用剤を冬に使用したところ症状が悪化したということもあります。 アトピ−性皮膚炎は季節と皮膚炎の症状に合致した治療が大切で、一時的な治療だけ でよくなっても放置していると繰り返しかゆみが出て掻破し(ひっかいて)悪くなることが多いです。
アトピ−性皮膚炎は体質によるものですから、「治す」というよりもうまく付き合って「悪くしないよう」に気をつけることがポイントです。
皮膚の病気と治療について-目次へ戻る
●尋常性乾癬(かんせん) (繰り返す難治性の皮疹)
(肘の赤みが強い隆起する局面、他に両膝・背部にも皮疹があります)
(腹部に環状に隆起する紅色局面が多発しています)
尋常性乾癬は繰り返す難治性の皮疹で発赤と皮膚の肥厚・厚い膜状の角質が特徴です。ときに痒み(かゆみ)が強く出ることがあります。 皮疹が出やすい部位は、頭髪部・肘・膝で体幹にもパラパラと散在するようにようになります。 物理的な刺激(強く擦る・引っ掻くなど)を与えることで症状が悪化しやすいので入浴時に軟らかく洗うことが大切です。 皮膚に白血球が集まって炎症を起こし、皮膚が赤く隆起するもので、合併症として爪甲の白濁肥厚などの変化や胸鎖関節炎による胸の痛みがでることなどがあります。
治療は活性型ビタミンD軟膏とステロイド軟膏の外用を基本として、痒み(かゆみ)が強い場合には抗アレルギー剤などを内服します。 症状が全身に広がりコントロールが難しい場合には、ナローバ� ��ド紫外線照射・免疫抑制剤の内服なども行われます。 症状を悪化させないように、うまくつき合っていくようにすることが大切です。
●単純性粃糠疹(ひこうしん) (いわゆる「はたけ」)
「はたけ」とよばれる状態。皮膚の表面が粉をふいたような細かい落屑があり、周囲の皮膚に比べると白く見える。 尋常性白斑(しろなまず)のように色素が完全に抜けているというよりは、日焼けしても次々と新しい皮膚ができては剥けを繰り返しているために日焼けの色がつかないので色が薄く見えるわけです。
治療:弱いステロイド剤・保湿剤などを使用していると徐々に軽快していきます。放置しておいても問題はありません。
●蕁麻疹(じんましん) (繰り返すこともある)
(胸に赤みのある盛り上がりが多発)
じんま疹は様々な原因で起こる「かゆみ」「紅斑」「膨疹(蚊にさされたように盛り上がる)」が主症状です。 まれに呼吸困難を引き起こすこともあります。
風邪をひいた・寝不足だったなど体調が悪かった時、生ものや香辛料など刺激のある食物を沢山食べた時、サプリメントや薬を飲んだ時、激しい運動をした時、急な体温の変化、強いストレスを受けた時等原因はいろいろあります。
治療: 抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤:いわゆるかゆみ止め)などを用います。 内服すると痒み(かゆみ)は落ち着きますが薬を継続しておかないとすぐにぶり返すことも多いです。 中途半端にせずじっくりと治療することが大切です。
原則的に外用剤(塗り薬)は使用しません。
●鶏眼 (歩くと痛い足のしこり)
ハイヒールなどの靴が当たるところ(体重のかかるところ)の皮膚が硬く厚くなり中央に硬い杭のようなしこりができてきます。皮膚の深いところに食い込むようになり痛くなります。 基本的には胼胝腫(べんちしゅ・タコ)と同じものです。 ウィルスが原因で起こる尋常性疣贅(ウィルス性イボ)との鑑別が必要です。
治療: 皮膚を軟らかくする薬を貼った後にメスで削り、硬い芯はくり貫き取り除きます。 一時的に治っても繰り返すことがよくあります。
根本的な対処法は物理的な刺激が加わらないようにすることが大切です。 靴の中敷をいれ体重が足の裏に平均的にかかるようにします。また靴の紐をゆるくしたまま履いているとなりやすいのでしっかり紐を結びましょう。
皮膚の病気と治療について-目次へ戻る
●口囲皮膚炎 (ステロイド剤の副作用による皮膚の病気)
強力なステロイドホルモン剤を誤って長期間使用してしまいました。一時軟膏を中断したところ急に赤みとブツブツとして盛り上がり出てきました。
原因は強いステロイド剤を漫然と顔に塗布したためで、皮膚の毛細血管が拡がったままになっています。
治療: まずステロイド剤の中断が必要で、テトラサイクリン系抗生剤などの内服とステロイドの含有していない軟膏などによる治療を行います。治るまでは数ヶ月間と時間がかかります。
軟膏の誤った使用法にお気をつけください。
●線状苔癬
皮膚が少し硬く隆起した丘疹が線状に並ぶ病気で、皮膚に炎症を起こすと痒み(かゆみ)を伴うことがあります。
治療: 軟膏治療を数ヶ月間続ける必要があります。
●男性型脱毛症
男性ホルモンによる作用により頭頂部と生え際の頭髪が薄くなります。
治療: 男性ホルモンの働きを弱める抗男性ホルモン剤(プロペシア)の内服を続けることである程度の改善が見られます。 なお治療を中断すると元の状態に戻ります。
●ピアスによる耳朶裂傷
耳朶(みみたぶ)に開けたピアス穴が、重いピアスによって徐々に長くなり最後には耳朶が裂けてしまいました。またセーターなどを脱ぐ際にピアスが引っかかり裂けてしまうことがあります。ピアスをされている方はご注意を!
治療: 耳朶の形成術が必要となります。
ピアスの注意について
皮膚の病気と治療について-目次へ戻る
東京都杉並区阿佐ヶ谷南3-31-13 稲葉クリニック(皮膚科・形成外科)
■ 細菌・ウィルスなどによる皮膚病 → 皮膚病 1 へ
■ 真菌・虫による皮膚病 → 皮膚病 2 へ
■ 皮膚の腫瘍(できもの) → 皮膚病 3 へ
■ あざ・ほくろ → 皮膚病 4 へ
■ スキンケアと皮膚病の治療 (皮膚科専門医の立場から) → スキンケア へ
稲葉クリニックのトップページへ
皮膚科専門医 医療機関の一覧
【警告】当クリニックホームページ内容(コンテンツ)の盗用について
著作権侵害にあたる盗用サイトについて 盗用サイトURL・盗用内容を公表します
Copyright(C)2010 Inaba Clinic All Rights Reserved. このホームページの文章・画像の引用・転載は一切禁止とさせていただきます。
当サイト内コンテンツを無断転載している事実が認められた場合には、予告無く盗用サイトとして実名を公表します。
東京都杉並区阿佐谷南3-31-13 TEL:03-3391-5535 稲葉クリニック(皮膚科・形成外科)
2008/2/13〜
0 コメント:
コメントを投稿