医学博士 蒲原聖可ブログ
(Nutr J. 2010 Jun 1;9(1):26.)
ベジタリアンあるいはベジタリアン食の摂取が,生活習慣病の予防や改善に有用であるという臨床研究は数多く報告されています。
一方,ベジタリアンのメンタルヘルスに関する研究はあまり知られていません。
まず,研究の背景には,次のような考えがあります。
一般に,ベジタリアンは,魚類を一切摂取しないため,EPAやDHAの摂取量が少ないと考えられます。
EPAやDHAはオメガ3系必須脂肪酸であり,抗うつ作用などのメンタル面での働きが示されています。
植物性脂質に含まれるアルファリノレン酸ALAは,EPAとDHAの前駆体ですが,ヒト体内での転換効率は高くないとされています。
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したがって,EPAやDHAの体内濃度が低いと想定されるベジタリアンにおいて,気分・感情プロフィールに関心が持たれています。
そこで,今回の研究では,健康なSDAの男女138名を対象に,ベジタリアン食と非ベジタリアン食の摂取,気分・感情プロフィール,不飽和脂肪酸の摂取との関連が検証されました。
食事調査票への記入,うつ状態や不安についてはDASS(Depression Anxiety Stress Scale),気分・感情プロフィールについてはPOMS(Profile of Mood States)が指標として用いられています。
解析の結果,ベジタリアン群(n=60)は,非ベジタリアン群(n=78)に比べて,ネガティブな気分・感情スコアが有意に少ないことが示されました。
(DASSスコア:8.32±0.88 vs. 17.51±1.88)
(POMSスコ:ア0.10±1.99 vs. 15.33±3.10)
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また,非ベジタリアン群に比べて,ベジタリアン群では,EPA(p<.001)とDHA (p<.001)の平均摂取量が有意に少なく,オメガ6系脂肪酸やアラキドン酸(AA; p<.001)の平均摂取量も少ないという結果です。
一方,オメガ3系脂肪酸のアルファリノレン酸(p<.001),リノレン酸(p<.001)は,非ベジタリアン群よりもベジタリアン群にて摂取量が多くなっています。
DASSおよびPOMSの平均トータルスコアは,EPA(p<0.05), DHA (p<0.05), AA (p<0.05)の摂取量と正相関を示し,ALA (p<0.05)やLA (p<0.05)の摂取量と負の相関を示しています。
(つまり,EPA,DHA,AAの摂取が少ない,ALAとLAの摂取が多いと,気分・感情プロフィールが好ましいスコアということです。)
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以上のデータから,ベジタリアンでは,オメガ3系脂肪酸の摂取量が少ないにもかかわらず,気分・感情プロフィールは,非ベジタリアンよりも良好であることが示唆されます。
非ベジタリアンでは,EPAとDHAの摂取量が少ないと,気分・感情プロフィールが好ましくない(障害されている)ことが,疫学調査や介入試験で示されています。
一方,今回の研究のベジタリアン群では,この相関が支持されないことから,食事あるいは環境におけるシナジーの関与も想定されます。
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