2012年5月11日金曜日

アシクロビルが奏功した“遷延性うつ病”の2例


    アシクロビルが奏功した"遷延うつ病"の2例

         

 アシクロビル投薬により劇的寛快した遷延性うつ病性障害を2例経験した。また1例は社会恐怖の軽度の軽症化も同時に起こった。アシクロビルはヘルペスウイルスの中でも単純ヘルペス1型および2型、帯状ヘルペス、Epstein-Barr ウイルスに特異的に効果を示すものとされている。1)

 この2症例は共に単純ヘルペス1型陽性、単純ヘルペス2型陰性、帯状ヘルペス陰性、Epstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルスの抗体価は未測定である。

『ほぼ全ての精神障害はヘルペス属である単純ヘルペス1型ウイルスあるいはEpstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルス感染を基盤とする。そしてそれはそのウイルスの神経感染による神経過敏性(神経興奮)に寄るものと推測される。』との仮説が成り立つことを示唆する貴重な症例と考えここに呈示する。

 症例2は自身が頑なに自身が"軽症うつ病"ではなく、慢性疲労症候群の亜型であると主張し、詳細にウイルス抗体価などを調べた。症例2の"うつ病性障害"は、キノコ類の大量摂取により軽症化し、ゾビラックス服薬にて寛快状態にある。

 この2症例は"うつ病性障害"がヘルペスウイルス感染症である可能性を示す貴重な症例と思われここに報告する。

 

 

key wordsAciclovir,  Depressive disorders,  Herpes simplex type-1, Epstein-Barr virus

 

【症例】

(症例1)

 39歳男性。単純ヘルペス1型陽性、単純ヘルペス2型陰性、帯状ヘルペス陰性。Epstein-Barr ウイルスおよびサイトメガロウイルス抗体価は未計測。

 既婚。K大学卒。五島列島出身。大学を不安障害により4年間休学、3年間留年、卒業するまで11年要した。パチンコにのめり込み、多額の借金を造る。高利貸しからパチンコの費用を借り、その借金で150万になった。親元は決して富裕ではなく、五島列島の小さな島の役所に父親が勤めており、畑を売ってその高利の借金に充てた。

 大学卒業後、高校の数学教師となる。親兄妹親戚には精神疾患者は居ないと言う。本人も精神科通院は1年間のみで入院はしなかった。

 大学時代、大学病院で診断され、手術をも勧められたメニエール病が悪化。教壇で生徒指導行うこと困難となり、5年前休職。同時に抑うつ気分を訴え心療内科受診。うつ病性障害と診断され投薬治療を受けていた。

 メニエール病およびうつ病性障害の病状は一進一退であり復職は極めて困難な状況にあった。メニエール病およびうつ病性障害に対する様々な治療法を受けてきた。うつ病性障害に対する薬物療法はほぼあらゆる抗うつ薬の服薬を行っており、最近は塩酸トラゾドン 200 mg/日の投薬を受けていた。この症例がメニエール病にアシクロビルが奏功するという情報をインターネットより入手。筆者にアシクロビルの投薬を強く懇願する。

 アシクロビル10004000 mg/日随時服薬とし、28000 mg200 mg 錠・140 錠)処方する。症例は『3000 mg/日以下では抑うつ気分が強くなりそうだった。』と後に述懐したが、最初の2日間は3000 mg/日、あとは40005000 mg/日服薬し、7日間で処方したアシクロビルを全て服薬してしまう。

『目眩は一日で治癒した。しかし右耳の耳鳴りと難聴は続いている。メニエール病の方はこのように良い。問題はうつ病である。アシクロビル服薬中、精神安定化作用を確かに感じた。朝悪く夜良い、という日内変動はアシクロビル服薬中は消失していた。一日中少し悪いか少し良い、という状態になっていた。始めの2日目までは効果は余り感じなく、却って漢方で言うメンゲン反応のようなものを感じた。3日目より効果をはっきりと実感できた。これは服薬するアシクロビルの量が増加したためとも思えるが、あまり解らない。昼間や夕方に感じていた強い全身倦怠感はアシクロビル服薬第1日目より、僅かしか感じられなかった。

 また、アシクロビル服薬中、抗うつ薬服用の必要性を感じなかった、副作用の多い抗うつ薬を服薬するより副作用の全く感じられないアシクロビルをこれからもずっと服薬したい。服薬中は朝早めに起床できていた。しかし塩酸トラゾドンを服薬中にあった夜間は絶好調というのは無かった、そのため夜早めに就寝していた。』という。

 アシクロビル服薬中止後、3日ほどして抗うつ薬を服用する必要がないことを知る。

 しかしアシクロビル服薬中止後5日目、抑うつ感に襲われる。塩酸トラゾドン 200 mg/日の服薬を再開。またアシクロビルの追加処方を希望して来院。これ以上、アシクロビルを処方することは不可能であることを告げると、インターネットよりの個人輸入を行うと言う。インターネットよりアシクロビルを個人輸入(400 mg 錠・100 錠)し塩酸トラゾドン の服薬を中止。アシクロビルの服薬再開。以前の4000 mg/日では頭がボンヤリなったり全身倦怠感に襲われることがあるため、2000 mg/日前後の随時服薬を再開。再びうつ病性障害は寛快状態となる。何故、以前の半量で充分になったのか、中枢神経のウイルス感染が軽症化したためと症例は考える。アシクロビル 2000mg/日を3週間ほど続けた後、更にアシクロビル 800mg/日に減量。アシクロビル 800mg/日を続けないとうつ病性障害が再発する兆候を何度も経験する。現在もアシクロビル 800mg/日を続けている。

 うつ病性障害の再発は見られていない。10月1日より教職に復職予定である。

 

(症例2)

 39歳男性。未婚。T大学卒。一民間企業で通訳や翻訳の仕事を任せられている。この民間企業には通訳や翻訳の仕事を行えるのは症例一人しか存在しない。


ヨガは、うつ病のためにポーズ

 2年半前より、うつ病性障害発症。朝、起床が非常に困難となり、ほぼ毎日遅刻となる。心療内科にて抗うつ薬の投薬治療を受けるも軽度の軽症化に留まる。症例は心療内科にて投薬される抗うつ薬の副作用に辟易し、また18歳時からの社会恐怖に非常に悩んでいた。インターネットより日本では処方されないある種の抗うつ薬が社会恐怖にも効くのではないかと自身で判断し、それを服薬したいため、心療内科での治療を絶つ。そして自らインターネットよりその抗うつ薬を輸入し、社会恐怖を治したい一心でその比較的大量服薬を行う。

 症例は小さいながらも一室を与えられており、その抗うつ薬の比較的大量服薬に寄ると思われる激しい全身倦怠感により来社してからも自室にてベットに横になるという状態となる。しかし社長の『いつもは自室にてベットに横になっていて良いから外国の客人が来たときにはネクタイを締めて客人の通訳を行えば良い。しかし欠勤は困る。』という方針により勤務を続けていた。

 外国の客が来ると社内電話が鳴りベットより起き、通訳の仕事を行い、翻訳は来社直後あるいはベットにての休息直後などの頭の冴えている時間に行っていた。

 単純ヘルペス1型抗体陽性、単純ヘルペス2型抗体陰性、帯状ヘルペス抗体陰性。Epstein-Barr ウイルス抗体は未計測。

 マイコプラズマニューモニエ抗体価は平成12年2月5日採血では4未満(基準値;4未満)であったが平成12年5月22日および5月31日採血では4以上に変化していた。

 サイトメガロウイルス抗体価は平成12年2月5日採血では4未満(基準値;4未満)であったが平成12年5月31日採血では4以上に変化していた。また平成12年9月29日採血では8以上に変化していた。

 アデノウイルス抗体価は平成12年2月5日および5月31日、オーム病クラミジア抗体価は平成12年2月5日および平成12年9月29日、RSV抗体価は平成12年5月31日、HTLV-1および HIV-1,2 抗体価は平成12年2月5日に採血したが、全て基準値以下であった。

 

 症例には糖尿病は無い。上記のウイルス抗体陽転化は『インフルエンザなどウイルス感染を受けやすい時期であったため。』と推測される。

 平成12年2月5日の採血に於いて銅 94 ug/dl (基準値;78131)、フェリチン精密 44 ng/dl(基準値;24286)

 平成12年7月7日の採血に於いてβ-2 microglobline 1.5(基準値;1.01.9)、フェリチン精密 50 ng/ml (基準値;24286)、マイコプラズマニューモニエ抗体価4以上(基準値;4未満)、シアル酸 48 mg/dl (基準値;4674)

 平成12年10月18日の採血に於いて、コルチゾール 13.8(基準値;4.018.3)、そして今まで基準値より高い価(常に4以上)を示していたマイコプラズマ抗体価が4未満(基準値4未満)に変化していた。

 平成12年11月8日採血に於いてT・B細胞100分率に於けるT細胞100分率は 84%(基準値;6689%), B細胞100分率は 8%(基準値;413%)

 

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fluvoxamine;平成11年5月より服薬開始。平成11年6月中旬からは一日量300mgに増加する。平成11年11月、服薬中止。

仕事上の信じられないようなミスは平成11年5月より始まっている。

 

fluoxetine;平成11年9月より服薬開始。 平成12年6月服薬中止。

 

sertraline;平成11年11月より服薬開始。 平成12年6月服薬中止。

 

paroxetine;平成12年3月より服薬開始。 平成12年6月服薬中止。

 

(これらSSRIは併用して服薬していたことが多かった。その量は比較的大量であった。)

 

RIMA(reversible inhibitory monoamine antagonist)であるmoclobemide ;平成12年6月よりSSRIを一気に中止し、その代用として服薬開始。その服薬量は比較的大量であった。"うつ状態"は不変か、やや軽快を示す。

 

平成12年7月初旬よりキノコ類(特にマイタケ)の大量摂取開始。"うつ状態"は急激に軽快を示す。しかし軽快のみであり、治癒には至らず。朝の起床困難は続く。

 

平成12年12月中旬、『希死念慮、自己卑小感、将来への不安』など出現。"うつ状態"に有ることを自覚する。このとき疲労の自覚は朝のみとなっている。朝の起床困難は強くなる。

 

平成13年1月、自動車事故を起こす。

 

平成13年2月、再び自動車事故を起こす。

 

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 また症例は次のように主張する。

『キノコ類(とくにマイタケ)の大量摂取で少なくとも自分のうつ病性障害は軽快する。マイタケを2日続けた後、シメジを2日続ける、というように種類を変えながら食した方が効果が高い。これはキノコの種類毎に効果を発揮する多糖体が微妙に異なるためと思われる。自分自身の実感ではマイタケを100とするとエノキダケは90、シメジは85、シイタケは50、という効力を持っている。また少なくともマイタケの有効成分は水煮した汁の中ではなく実本体の中に存在する。大量に食べないと効果は期待できない。夜食はすべてキノコ類(特にマイタケ)の水煮で済ませることも時折有った。』


vitiman bと口唇ヘルペスの治療

 そして症例はインターネットより購入した抗うつ薬(SSRI)を4種類ほど服薬し、社会恐怖に効果がなく、全身倦怠感が激しく、またインポテンツを起こすことで有名である故に、代わりにRIMA(reversible inhibitory monoamine antagonist)であるmoclobemide をインターネットより購入し服薬。またそのキノコの大量摂取療法も平行して行う。しかしキノコ類の大量摂取はうつ病性障害には効くが社会恐怖には効果がないことに失望し、キノコ類の大量摂取を行わなくなり始めていた。

 症例は症例1と高校時代の親友であり、症例1より、アシクロビルの話を聞き、是非自分にもお願いしたいと懇願する。症例1と同じく10004000 mg/日随時服薬とし、28000 mg200 mg錠・140 錠)処方する。 症例も症例1と同じく『3000 mg/日以下では強い抑うつ感が襲ってきていた。』故、最初の2日間は3000 mg/日、あとは40005000 mg/日服薬し、7日間で処方したアシクロビルを全て服薬してしまう。これは症例1と症例が連絡を取り合っていたことも関係があると思われる。(彼ら2人は"うつ病性障害"および"アシクロビル"などについてインターネットで検索し、そしてまた電話などで盛んに情報を交換していた。)最初の2日間は症例1と同じく漢方で言うメンゲン反応のようなものを感じたと言う。

 1週間後、更にアシクロビル服薬を続けたい、と強く主張するため更にアシクロビルを4000mg/日・3日間随時服薬として処方する。

『アシクロビル服薬中、精神安定化作用を確かに感じていた。この10日間、長年常用していた比較的大量のベンゾジアゼピン系のクスリの服薬の必要性はあまり感じなかったが、仕事上必要性を感じたときにはベンゾジアゼピン系のクスリを随時服薬していた。朝悪く夜良い、という日内変動はアシクロビル服薬中は消失していた。一日中普通、という状態になっていた。しかし2日目まではあまり効果を感じなかった。効果をはっきりと実感できたのは服薬する量を増やした3日目からです。それは服薬量が増えたからか、服薬を始めて3日経過したからか、どちらかは解らない。

 できればアシクロビルを抗うつ薬の代わりに服薬し続けたい。夜間の絶好調が確かに無くなり、そのために夜は早めに就寝していた。今までは早朝は非常に体も心も重く、例えトイレに起きても再び床に着くということを繰り返していた。しかし、アシクロビルを服薬している間は午前5時には起床していた。それまでどんなに早く就寝しても早朝は心も体も非常に重く、たとえトイレへ起きても再び床に着くということを繰り返していた。』

 この症例もアシクロビル服薬中止後、3日ほどして抗うつ薬を服薬する必要がないことを知る。

 症例がうつ病性障害よりも悩んでいた20年来の社会恐怖は軽度軽症化に留まる。

 症例1と同じくアシクロビル服薬中止後5日ほどして抑うつ感出現。moclobemide 600 mg/日の服薬を再開する。

 症例1と同じくアシクロビルのインターネットよりの個人輸入(400 mg錠・100 錠)を行う。moclobemide の服薬を中止しアシクロビルの随時服薬を再開。しかしその量は最初の時と異なり、アシクロビル2000mg/日で充分であるという。それが何故なのか、ヘルペスウイルス感染の軽症化によるものではないか、と言う。うつ病性障害は服薬翌日より再び寛快状態となる。社会恐怖は軽度軽症化または不変となる。この期間は1ヶ月ほど続く。またこの期間に社会恐怖の寛快を願い、アシクロビルの服薬量を6000mg/日に増量していた時期が有った。しかしこの期間も社会恐怖は軽度軽症化または不変に留まり、副作用と思われる全身倦怠感により、昼間仕事の時間ベットに横になるという以前と全く同じ状態となったため、アシクロビル2000mg/日に戻す。(朝の起床困難はかなり軽くなりながらも続いていた。)

 個人輸入したアシクロビルが無くなり、アシクロビル服薬中止後、2週間ほどして再び『朝起きることができない。激しい全身倦怠感。』再燃。また社会恐怖の軽度軽症化状態も消失。

 そしてmoclobemide の再服薬を行う。アシクロビル(400 mg錠・100 錠)がインターネットより再び到着し、三度目のアシクロビルの服薬再開。うつ病性障害から早く逃れたいためアシクロビル 4000mg/日で始める。翌日にはうつ病性障害軽快。そして社会恐怖は軽度軽症化状態となる。

 症例はアシクロビルのプロドラッグであり一日3回の服薬で充分という新しく開発されたvalacyclovir を輸入し、アシクロビルに変えて服薬し始める。アシクロビルに耐性が附き、そのために効き目が悪くなっっているのではないか、という考えからvalacyclovir の服薬を思い立ち、輸入代行業者に依頼し、500mg錠・42カプセルを26000円で購入。自身の社会恐怖に非常に悩んでいる症例はvalacyclovir が来ると3000mg/日で充分とされているところを4000mg/日のペースで服薬する。アシクロビルを6000mg/日の割合で服薬していたときと同じ副作用と推測される軽度の下痢、全身倦怠感が現れた。

 症例は次のように述べる。『アシクロビルおよびvalacyclovir はうつ病性障害には劇的に効果があるが、社会恐怖には軽度軽快のみ感じるだけである。』

『少なくとも自分のうつ病性障害はマイタケを代表とするキノコ類の大量摂取に強い効果が存在する故にウイルス感染を強く疑っていた。そしてそのウイルスが世界中に非常に蔓延している単純ヘルペスウイルス1型感染症であるらしいことが解った。しかし自分の口唇ヘルペスはゾビラックスを多量に服薬しても一時的に軽くなるだけである。また同じように自分の社会恐怖も一時的に軽くなるだけである。社会恐怖は日本に特異的に多く、外国には少ない。しかし社会恐怖の特効薬になるのではないかと思われるクスリが存在するのをインターネットを行っていて知った。それはブスピロン(buspirone)である。自分の社会恐怖はそれで治癒するような気がする。ゾビラックスとvalacyclovir が無くなったらブスピロンに賭けてみようと思う。』


"犬のうつ病"

『また自分のこの口唇ヘルペスが一向に治癒しないのは何故なのか? ストレスが常に掛かっており、そのために自分の免疫力が弱まっているからか? しかし自分は小学生の頃から口唇のヘルペス様の発疹に1年のうち半年ほど悩まされていた。母は6年前、帯状ヘルペスに罹患した。それは自分が大学院に通っていたのに00県のある会社からの執拗な誘いに負け、クルマで発作的に出発したあとであった。つまりストレス故の発症と言って良い。あのまワ大学院を卒業していたら今頃は教授であったに違いない。家系的にヘルペスウイルス感染症に弱いのかもしれない。HIV-1,2抗体(-) 。また他の免疫上の検査も異常なしであった。何かのストレスか?』

 血液検査上、異常値として唯一、血清鉄が検査2回に1回ほど正常下限あるいは低値となる。これは祖父は大腸ガンで死亡し、父親も6年ほど前に悪性化直前の大腸ポリープを偶然発見され摘出手術をした。症例も大腸ポリープを持っており、時折、出血を起こしている故と推測される。

『自分はゾビラックスやvalacyclovir を服薬すると確かに社会恐怖が軽減する。しかし軽減のみである。自分のうつ病性障害は未だ罹患歴2年半である。しかし社会恐怖は20年近くに及ぶ。帯状疱疹罹患時に疼痛を感じさせると疼痛の伝導路ができてしまう。その伝導路を造らせないために帯状疱疹罹患時にできうる限り疼痛を感じさせないことが重要である。そのため抗ウイルス薬投与とともに鎮痛薬の強力な投与や低出力レーザーによる痛覚神経の興奮性を抑える方法が採られる。

 太い神経伝導路が自分の社会恐怖には附いてしまっているのか? うつ病性障害と社会恐怖の機序は異なるのか? ヘルペスウイルスは神経節細胞に不顕性感染するとしてうつ病性障害と社会恐怖のウイルスはたとえ同じヘルペスウイルス1型感染症としても亜型の感染か? またはアシクロビルが効能を持つという同じヘルペス属のEpstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルスなのか、解らない。とにかく明日よりブスピロン服薬を開始しようと思う。』

『五島地方のEpstein-Barr ウイルス抗体価の測定を大規模に行ってはどうかと思う。友人の症例1は自分と全く同じく単純ヘルペス1型陽性、単純ヘルペス2型陰性、帯状ヘルペス陰性である。彼はうつ病性障害には罹患していたが不安障害には大学時代に罹患していたのみである。自分は次第にEpstein-Barr ウイルスまたはサイトメガロウイルス感染が様々な精神疾患の基盤であるような気がする。』

 

【考察1】

 上記の2症例はともに単純ヘルペス1型陽性、単純ヘルペス2型陰性、帯状ヘルペス陰性である。

 未だ2症例のみのアシクロビルの投薬であるが2症例ともに遷延化・難治化したうつ病性障害である。少なくともこの2症例からはうつ病性障害は単純ヘルペス1型ウイルスまたはEpstein-Barr ウイルス感染症・サイトメガロウイルスと推測することも可能である。

 しかし未だ2症例のみであり、『うつ病性障害は単純ヘルペス1型またはEpstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルス感染による中枢神経の慢性炎症である』と断定することは今後の追試を待つしかない。

 ヘルペスウイルスは全世界に蔓延化しているウイルスであるが、少なくとも筆者の統計上一般に、単純ヘルペス1型抗体陽性の確率は90%、単純ヘルペス2型抗体陽性の確率は30%、帯状ヘルペス抗体陽性の確率は40%である。筆者の病院は顔面神経マヒに鍼を使って治すことで有名であり、80例を越す患者のヘルペス抗体価を測定してある。

 幼い頃、水疱瘡に罹患したので帯状ヘルペス抗体は陽性に違いない、という患者の主張は信憑性が非常に低い。血液検査の結果、その幼い頃の水疱瘡は単純ヘルペス1型による水疱であった、ということが極めて多い。

 症例2に於いては20年来の社会恐怖は軽度軽症化に留まっている。インターネットより輸入したアシクロビル400mg 錠を一日3錠と服薬中の現在も同様である。

 しかし社会恐怖もヘルペスウイルスまたはEpstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルス感染症による神経過敏を基盤としている可能性は充分考えられ、未だ一例のみであり、今後の追試を待つしかない。

 

【考察2】

 アシクロビルはヘルペス属である単純ヘルペス1型および2型、帯状ヘルペス、Epstein-Barr ウイルス、サイトメガロウイルスに効果がある。1)

 アシクロビルはウイルスに感染した細胞内でウイルス由来のチミジンキナーゼという酵素によりリン酸化されアシクロGMPになる。アシクロGMPは人のキナーゼにより更にリン酸化され、リン酸が3個附いたアシクロビル三リン酸(アシクロGTP)となる。このアシクロビル三リン酸がウイルスDNAポリメラーゼの阻害物質及び基質(d-GTPと競合)として作用し、ウイルスDNA合成を阻害する。このようにして薬効を発揮する。よって正常な細胞は全く害を受けず、ヘルペスウイルスが感染した細胞のみが害を受ける。1)

 アシクロビルは副作用が非常に軽度であるため今後、うつ病性障害に抗うつ薬に代わって盛んに用いることができると思われる。

 上記の2症例が最初に服薬した4000 mg/日あるいはそれ以上服薬という量は帯状ヘルペス感染すなわち帯状疱疹のときに用いる量とほぼ同じか、やや多い、という量である。単純ヘルペス感染すなわち単純疱疹及び水痘では1000 mg/日を5日間となっている。3)

 2症例ともにアシクロビルの説明で『帯状ヘルペスでは4000 mg/日、単純ヘルペスでは1000 mg/日を共に一日5回に分けて服薬することになっている』とのみ伝えておいた。しかし2症例ともに最初は4000 mg/日あるいはそれ以上の比較的大量服薬を行った。

    アシクロビル服用中、2症例とも抗うつ薬を全く服薬しなかった。2症例とも、アシクロビルを服薬中は抗うつ薬を服薬する必要性は全く感じなかったからである、という。

 アシクロビルには単純ヘルペス1型またはEpstein-Barr ウイルス感染により易興奮性化している神経細胞に作用し、そして興奮性を標準にまで沈静化させる作用が存在すると推測する。


『単純ヘルペス1型ウイルスまたはEpstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルス感染が神経細胞の易興奮性を惹起する。それが精神疾患の最も大きな素因であり、患者が不安障害、うつ病性障害、精神分裂病になるかは、また別の理由による。』と推測され、これは精神疾患の家族・家系集積性を説明できうる仮説と成り得る。

 ストレスが過剰に掛かったときなど、免疫機能が低下し、神経細胞や神経節細胞に潜伏していたある種のウイルスが活性化し、発病に至る。そして神経細胞のある種のウイルス感染による慢性炎症が続き、精神疾患も続く。この神経細胞のある種のウイルス感染による慢性炎症を沈静化あるいは完全正常化させると、精神疾患は軽症化あるいは寛快する。

 精神疾患は中枢神経細胞の慢性炎症であり、この慢性炎症を取り除くにはアシクロビルだけでなく、他の薬物や方法も考えられる。

 不安障害や恐慌性障害、強迫性障害など抗不安薬で治療する疾患に於いて、鍼・整体などで治癒してゆく症例も存在する9)が、それは鍼・整体により神経の不良な圧迫が取り除かれ、中枢神経細胞の易興奮性が鎮静化する故と推測される。

 薬物治療などに反応不良な頑固な三叉神経痛の治療には脳外科的開頭手術が行われ、それは非常に良好な結果を示す。当初は圧迫されている三叉神経の圧迫を取り除いたためと考えられていたが、後に三叉神経の圧迫の方法が変化したためと考えられるようになった。12)

 メニエール病にアシクロビルを用いるときの用量は10002000 mg/日となっている。1)

 症例2は『キノコ類(とくにマイタケ)の大量摂取でうつ病性障害が軽快する。』と言う。少なくとも症例2のうつ病性障害はウイルス感染であり、キノコ類(とくにマイタケ)に存在する免疫力増強作用により軽快していたと思われる。

 

【最後に】

 長崎の五島列島および五島灘に面した島々は精神障害の好発地帯であり、それは筆者の統計上、

全国平均の100倍に相当する。日本全国の単純ヘルペス1型の抗体保有率は90%である故、精神疾患単純ヘルペス1型感染説はこの五島の島々の極めて高い精神疾患発病率をうまく説明できない。しかし『それは単純ヘルペス1型の亜型、またはある種のEpstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルスの感染による。その単純ヘルペス1型の亜型、またはある種のEpstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルスは極めて神経細胞の易興奮性を招きやすく同時に精神疾患を極めて起こしやすくする。』とするならば説明可能となる。 また五島列島はATLV(Adult T-cell leukemia virus)が非常に蔓延している地域の一つである。それ故にATLVが五島列島の精神疾患の非常な多発の要因ではないか、と推測していたときがある。

 五島列島の島々には黒潮に乗ってインカ帝国の人々が流れてきたとする伝説があり10)、そのインカ帝国の人々が持ち込んできた単純ヘルペス1型亜型ウイルス(またはある種のEpstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルス)故の精神疾患の非常な多発なのかもしれない。

 また単純ヘルペス1型(およびEpstein-Barr ウイルス・サイトメガロウイルス)に様々な亜型が存在すること11)が、世界中で精神疾患の頻度の高い地域、低い地域、および精神疾患の地方特異性が存在する一つの大きな理由になっていると思われる。

 

 

【文献】

1)七戸満雄:メニエール病に対するアシクロビルの治療効果;医学の歩み 169: 796, 1994

2)七戸満雄:メニエール病に対するアシクロビルの治療効果(第二報);診療と治療;82:1860,1994

3) ゾビラックス錠添付文書;グラクソ・ウェルカム株式会社;1999

4)Shichinohe,MClinical Trials of Meniere's Disease (M.D)

 9th International Conference on Antiviral Research. Fukushima, May,  1996

5)Mizuno T., edSpecial issue on mushrooms. bioactive substances and medical utilization. Food Rev.int., 11(1),pp1-236, 1995

6)Mizuno T., edSpecial issue on mushrooms. breeding and cultivation. Food Rev.int., 13(3),pp327-518, 1997

7)Mizuno T., edThe extraction and development of anti-tumor-active polysaccharides from medical mushroom in japan. Int.J.of Med.Mushrooms, 1(1),pp9-29, 1999

8)Mizuno T., edBioactive substances in yamabushitake, and its medical utilization,Int.J.of Med.Mushrooms, 1(2),ppjl;jk;105-119, 1999

9)心に残る症例;医道の日本社;p618; 1994

10)黒沢和夫:黒潮に乗ってやってきた人々;講談社;p356,  1987

11)Richard T.Jhonson:神経系のウイルス感染症; 訳:金沢光男;西村書店;p363,  1988

12)Acampora D, Mazan S, Avantaggiato V; decompression or neocompression; J neurosurgery 3:218-222; 1996

 

 

*Cured by aciclovir 2-case of prolonged depressive disorders*

---- Mental disorder are caused by Herpes simplex type 1 or Epstein-Barr virus----

 

 

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